Lago~家具メーカー

毎年春に開催される家具の国際展示会ミラノ・サローネをはじめ、イタリアン家具、イタリアン・キッチンなど、家具製造も重要な国の産業の1つであります。
B&BやCassinaなどの名の知れた家具の産地は、ミラノの北、コモ湖の南側の地域が有名です。その他、実はヴェネト州も、隣のフリウリ・ジューリア州と並んで家具を製造する中小企業が多く立地しています。
今回訪問する方面はしかし、ちょうど家具産地の狭間にあたり、家具工場は比較的少ないゾーンではありますが、工場訪問のできそうなところ、モダンファニチャーを製作しているところ、という点を踏まえ、家具メーカーLAGO株式会社Lago SPAを訪問することに決めました。製造理念も日本と関わりがのあるという点も興味深いところです。
純粋に、イタリアの家具工場がどういうところか、見学したいと思います。

以下は、LAGOのHPを翻訳したものです。

Lago
www.lago.it

歴史 Storia
Lagoの歴史は、ポリカルポ・ラーゴが、高貴な邸宅やヴェネツィアの教会において家具職人として活動を始めた1800年の終わりから始まります。
次の世代もその伝統を受け継ぎ、新婚カップルのための部屋、そして一連の玄関家具を製作していきます。
1980年代、その息子たちが一旦立ち止まり、リビング家具、寝具の製作に転換させます。
2006年、その息子たち、つまり4代目となる世代が、Lagoを株式会社とし、世界へと目を広げました。

現在Lagoは、売り上げが3000万ユーロ(40億円)、従業員は170人に達します。販売店は世界に400店舗を数え、Lagoの専門店は、ローマ、ミラノはじめとしたイタリアのみならず、ロンドン、パリ、マドリード、バルセロナ、ベルリン、プラハにも置かれています。
他の文化、パートナー、代理店、消費者、ブロガーたちとの交流をもち、更なる発展を図りつつも、根本的な関係はしっかりと携え続けていきます。

Lago工場 Fabbrica
Lagoの工場は、サスティナブル住宅の原理に基づき、建築家イタロ・キウッキーニにより設計されています。工場としてではなく、陽が沈むと作業場が夕日で満たされるような、ガラスや木でできた家の様相を持ちます。建設に当たっては、工場建築では通常使わないような材料が使われています。木やレンガ、ガラス、鉄、アルミなど。傾斜した屋根が織りなす一連のハーモニーは、そこで作業する人間にとって好ましい、ヒューマンサイズな空間を作り出しています。

また、Lago工場は、「無駄を削る」メソッドのもと、家具を製作しています。この簡潔な考えは、意味のない時間を割き、無駄を減らし、確実な改善を手に入れることができるのです。
Lagoは、事業及び製作の2つの柱から成り立っています。いずれにおいても、TOYOTA生産哲学に依拠しています。

Kaizen & Lean Thinkign: 改善と無駄
Kaizen改善とは、企業内部の隅々まで巻き込んだ、1歩1歩継続的に修正していく、という日本の方法論です。改善の基本は、「企業のエネルギーは下部から」という意識であります。つまり企業の成功は、経営手腕ではなく、製造における直接的な仕事によるものなのです。
Lean Thinking無駄をなくす、とは、製造過程において最善の効率をあげることを表彰する企業の制度を通し、無駄を最小限に抑え最終的になくすことを目的にした「身軽な製造」と同意義であります。

無駄を省くLean Thinking考えにより、Lagoは常に、規制のない無秩序や、手待ちな時間、といった余分な行動を避け、つまりそのような時間に消費者がお金を払うことにならぬよう、不動の製造改善を模索しています。結果、生産プロセス、イコール生産価値であり、デザインの発想から製作まで、その製品は、どこにも「置き放たれる」ことなくクライアントの家にたどり着くというわけです。

ビジョン「Interior Life」
人が多くの時間を過ごす場所が質の高い空間であれば、その人の生活・人生も質の高いよりよいものになるであろうと考えます。
それが、Lagoのデザイン・ビジョンであり、「Interior Life」に我々は重きを置くのです。つまり、誰もが持つ感情に関する内面的Life、そして事務所、家、ホテル、病院、学校などにおける気持ちよく過ごせるインテリアのあるLifeです。

Lagoの哲学(Lago Interior Life Manifest)は、11の言葉で表現できます。
1 すぐに簡潔に
2 自分の内面のためのインテリアをデザインしましょう
3 1つ1つの小さな人間関係を信頼しましょう
4 私たちはみんな羅針盤を持っているのです~頭と心と勇気と
5 無に生命を持たす中身を考えましょう
6 経験と価値観をもって心地よい空間を作りましょう
7 美は、常にビジョンの中にあります。
8 時間を過ごすための、その本質であるもの。
9 デザインはあなた、我々はその必要とする「アルファベット(基本)」を供給するだけです。
10 あなたが好きなことをするその時に、「創造性」と言うものがやってくるのです。
11 決して止まらないで。